馬鹿は風邪を引かないのは理由があった!医学的根拠と歴史的な由来
馬鹿は風邪を引かないという言葉をご存知ではないでしょうか。この言葉は昔から言われ続けている格言の1つでありますが、おそらくこの言葉を聞いたことがある殆どの人は、
「本当にバカな人は風邪を引かないのか…?」
という疑問を抱いたことがあると思います。
そこで今回は、この「馬鹿は風邪を引かない」という言葉について、その言葉が誕生した由来と、医学的な根拠による事実の確認について調べてみました!
1.馬鹿は風邪を引かないの由来
そもそもこの都市伝説とも考えられる言葉は、実は昔から伝わることわざの1つなのです。
この「馬鹿は風邪を引かない」という言葉は、他にも「阿呆は風邪をひかない」「阿呆風邪ひかぬ」という使い方も存在しています。
この「阿保風邪引かぬ」という言葉が、江戸時代の庶民の間に誕生し、のちに世間一般に広まっていったのです。そして、時代の流れとともに阿保→馬鹿という表現が一般化し、「馬鹿は風邪を引かない」という言葉が誕生しました。
1787年(天明7年)の書『譬喩尽(たとえづくし)』に「信天翁凮不引(あほうかぜひかず)」とあることから、ことわざ研究家の北村孝一は、この時代にすでに似たような表現があったと見ている(Wikipedia)
1787年とは、江戸時代後期である文化・文政時代です。かの有名な老中・松平定信公が活躍していた時代ですね。
この時代では、各地で庶民や武家の子供達に学問を教える場である寺子屋・私塾が各地に作られるようになりました。
これにより、学者以外の武士や庶民にも、読み書きや医学などの学問が幅広く普及して来るようになり、 多くの新しい学問・著作物が世に出されらようになりました。
その中の1つとして、「譬喩尽」といういわば庶民などの間に広まっていることわざ・流行語・和歌などを収録した本が出され、「阿保は風邪を引かず」という表現も中に含まれていたということですね。
2.馬鹿は本当に風邪を引かないのか? 医学的根拠による検証
この言葉の、ことわざとしての意味は
「馬鹿な者は鈍感なために、冬に風邪を引いても気づくことはなく、夏になってからやっと気づく」または「風邪を引いても気づかないほど愚鈍」
という意味です。確かに、この意味の通りにも納得できる気もしますが、たとえ医学の発展があまりなかった江戸時代でも、風邪を引いたことに気づかないほどの鈍感な人など存在したのでしょうか?
実は、現代になって、この言葉の本来の意味は
「馬鹿は風邪を引いても気づかないのではなくてそもそも風邪を引きにくい」という、言葉のそのままの意味として捉えられていたのでは?という解釈が出てきました。
これは、医学的なそもそもの風邪を引く時のメカニズムにも関連しているのですが、
風邪が人のストレスによる免疫機能の低下によって引き起こされるという理由も1つとして存在しているため、ストレスをあまり感じない「馬鹿」な人は免疫機能の低下がなく、風邪などの感染症にかかりにくいというものです。
この場合の「馬鹿でない人」というのは、物事を深く考えすぎてしまう人=神経質なタイプの人という分類です。神経質な人は、何事に対しても考えすぎてしまい、心配や苛立ちの感情が多くなってしまってストレスが増加→免疫機能が低下して病原体に対処できないため風邪を引きやすいというようになってしまいます。
それに対して、のんびりした性格であまり物事を深く考えない人=馬鹿な人はこのような免疫機能の低下が発生しなくなり、病原体が体へ侵入してもその十分な免疫機能によって撃退することができるというものです。
ほかにも、ストレス対処能力の高い人間はある種の鈍感さがあり、ストレスをストレスと感じずに受け流すことができるため、こうした鈍感さが健康に寄与しているとの説や、知能の低い者は体全体の反応が鈍いため、病原体に対する病気の反応が生じにくいとする説もあります。
まとめ
このように、昔からの言われである「馬鹿は風邪をひかない」という言葉にはキチンとした根拠があると考えられます。昔の人が、このような根拠に基づいてこのことわざを作り出したのかは不明ですが、昔からの格言というものの中には現代の我々の生活・学問に深く関与している内容のものもありそうですね。
参照:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/馬鹿は風邪を引かない
https://www.google.co.jp/amp/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/10217403/
https://ddnavi.com/review/12007/a/
http://www.keiyukai2.jp/blog/immunity_bowels/